イジワル上司と秘密恋愛
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私と綾部さんの不毛な関係が始まってからが数週間が過ぎた週末、実家の母から電話があった。
『志乃、お見合いしない?』
唐突に話された驚くべき話は、母が知り合いに頼まれてどうしても断りきれなかったというお見合いの打診。
当たり前だけどまだ二十四歳という若さで仕事だって頑張っている私は、結婚なんて考えたこともない。
けれど母は『会うだけでいいから』と食い下がる。どうやらお世話になってる人からの紹介で、顔も合わせず断るわけにはいかないらしい。
それでも私が渋っていると母は
『もしかして志乃、お付き合いしてる人でもいるの?』
などとこちらの異性関係を勘繰ってきた。