イジワル上司と秘密恋愛
「ああ、気持ちいい」
少し冷たくなってきた山の空気とあたたかいお湯の温度差が、ジンと痺れるように身体に染みる。
その心地良さに思わず目を閉じ長く息を吐き出していると。
「な、気持ちいいだろ」
湯に浸かったまま綾部さんが後ろから私を抱きしめてきた。
温泉に癒されていた身体が綾部さんの包容も加わって、もっともっと心地良さを感じてしまう。
「綾部さん」
「ん?」
「来て良かったです」
意地も張れないほど感じてしまった幸せは、私に素直な言葉しか紡がせてくれなくて。
「志乃」
抱きしめながら彼が与えてくれるキスを、心の全部と唇で受けとめた。