イジワル上司と秘密恋愛
ただ、そんな私にだってどうしようもなく泣きたくなってしまう時もある。
「春澤さん、あなたこの仕事馬鹿にしてるの?」
私の所属するチームCのブレストの最中、先輩の柳さんがこちらに向かって厳しく言い放った。
小さなミーティングルームに一瞬張り詰めた沈黙が落ちる。
私は手にしていたアイディアのメモを思わず隠すように握りしめてしまった。それを見て柳さんはますます眉をひそめる。
「どれもこれも他社の二番煎じじゃない。しかも古いものばかり。なんのためのマーケティングなの?」
「す、すみません……」
柳さんは物事をハッキリと言う人だ。褒めてくれる時も大げさなぐらい褒めてくれるのだけど、叱責する時もこんな風に容赦がない。
そこに特別な悪意は無いと分かっていても、一生懸命考えたアイディアをそんな風にあしらわれると、さすがに辛くなってしまう。