Syndrome not to need
出会い

春。暖かく過ごしやすい季節かと思ったら、5月なのに暑くて死にそうだ。
家から持ってきた本に栞をはさみ、本を閉じた。そして、綺麗な青い空を見上げた。
雲がゆっくり流れている。

初めまして、こんにちは。
私は佐久秋穂。(さく あきほ)
本当の名前は内倉 秋穂(うちくら あきほ)。
今は親戚の佐久家で居候しているから、名字が一応佐久。
今は外で体育の授業中。なのに私は一人で教室に居、自分の席の窓際の席にいる。

何故かと言うと、私がとある病気だからである。
Syndrome not to need(いらない症候群)。
五千万人に一人しかかからないと言われている、治し方が分かっていない病気だ。
判明したのは中二の頃だった。

Syndrome not to needの病気の内容は、物事にすぐ飽きてしまう。
何だそれは?そう問いたくなるような内容だ。
例えば、私が運動にハマるとする。
するとしている途中からどんどん飽きてゆき、飽きても頑張って続けたら精神が病んでしまう病気だ。
病んでいる時の治療法として、鬱の方の治療方法も試されたが、治せなかった。
そのものごとによって飽きるスピードも違ってゆく。

人間などはまだなかなかデータが取れないらしい。人はそれぞれ違うからな。人間も飽きる対象だけれども。
その中で、対象じゃないのがある。
それは同じ症候群の者だ。同じ症候群の人は生まれたときから死ぬ時まで共にいても飽きるときはこないという。
それと、本。本はさまざまなものがあるからな。
それと家族。父親母親兄姉双子弟妹…それまでの範囲なら大丈夫らしい。

まあ、 Syndrome not to needとはそういう感じだ。
< 1 / 19 >

この作品をシェア

pagetop