エンディングは”そこ”じゃない……
私が”ここ”に来たくなかった理由。
それは”ここ”が彼と最後のお別れをした場所だから……
私と彼は高校の同級生だった。
高校時代からの純愛を貫いて結婚した訳じゃなくて……
私たちが付き合うようになったのは、”よくあるシュチュエーション”
成人式後の同窓会
そこで再会したのが切っ掛けで付き合ったのは大学に入ってからだった。
初めてお酒の席で一緒になり話をしてみたら、今まで知らなかった彼の一面を知ることが出来て
『また彼に会いたい』
『もっと彼の事を知りたい』
そんな思いで居たくせに、その時の私は自分から彼の携帯番号も聞く事が出来なくて
そんな私の思いを察してくれたのかは分からないけど……
「連絡先交換しない?」
彼からそう言われた時は胸がドキドキと高鳴り凄く嬉しかったのを昨日の事のように覚えている。
それから直ぐに付き合い始めた私たちはごく普通のカップルと同様に些細な事柄でケンカと仲直りを繰り返しながら付き合いを深めていった。
彼は一浪していたから社会人になったのは私の方が一年早かったのに、大学生の彼はデート代を私に払わせる事は一度もなくて釣った魚にも十分に栄養を与えてくれる……そんな人だった。
「突然『ドライブに行こう』って部屋から拉致されて……
連れて行かれたショップで財布代わりにされたのよ、酷いでしょ?」
彼の思い出話を皆でしている時にお姉さんが泣き笑いの表情で教えてくれたのは末っ子の彼がホントは甘え上手だったらしいという事だった。