エンディングは”そこ”じゃない……
彼に妊娠した事を告げるのはとても勇気が必要で、彼に何を言われるか不安で眠れなかったのも良く覚えている。
「赤ちゃんができた」
「そっか……」
それだけ?
ショックで血の気が引きそうになっていたら……
「お義父さんの休みの日に『挨拶に伺いたい』って連絡入れてくれる?
俺が先に一人で結婚の承諾を貰いに行ってくる」
そう言った彼の顔は凛々しくてとても頼りがいのある男(ひと)に見えて、安堵から流した涙がなかなか止まらない。
そんな私を心配したのか?
画面越しにアタフタと落ち着きを無くした彼が可笑しくて、今度は笑いが止まらなくて泣き笑いの酷い表情だったかも知れないけど……
遠く離れた地で彼の子供を産める喜びを噛みしめていた。