エンディングは”そこ”じゃない……
「はぁ~~めちゃ緊張した……」
「お疲れ様でした」
うちの両親に結婚の承諾を貰いに私の実家へ行ってくれた日。
その日スカイプでの開口一番に飛び出したのが先程のセリフだった。
「お義父さんには殴られるのも覚悟して行ったけど……
激昂されるより冷静な声で
『困った事態になりましたね』の方が余程恐ろしいという事が分かったよ」
「うん。なんかそのやり取りが目に浮かぶよ」
「とにかく一刻も早く籍を入れた方が良いと言って貰えたから、それだけは安心して……
大事な一人娘にデキ婚させて本当に申し訳ないけど、これから親孝行して挽回して行くよ」
彼の覚悟を聞きながら幸せに浸り、これからの相談をして医師の許可が取れたら直ぐに日本に帰る事が決まった。
帰国後直ぐに両家の顔合わせと同時に結納と入籍が済んだ。
結婚式はしてもしなくても私はどっちでも構わなかったけど……
「ご両親は一人娘の結婚式に夢もあった筈なのに息子の所為でこんなことになって申し訳ないわ
せめて身内だけでも招いて披露宴はするわよ」
お義母さんが全ての手はずを整えて小さな披露宴をする事も出来た。