もう一度君を  この腕に
先輩と由樹さんの会話のおかげで

ランチ・バイキングは楽しいものになった。

「酒井、俺たちこの後中華街へ行くから別行動な。」

「中華街?」

僕はこれ以上食べられないし

まともに歩けないほど腹が苦しいのに

中華街へ何しに行くんだと思った。

「由樹が豚まん食べたいって言うからさ。」

「龍司、甘栗とえびせんも捨てがたいけど。」

「よっしゃ、それ乗った!」

僕と木村はゲラゲラ笑う先輩たちを手を振って見送った。

先輩と由樹さんはなんて言うか騒々しいカップルだ。

しかも信じたくないが由樹さんは

大食いの人種だと僕は勝手に決め込んだ。

「愛ちゃん、観覧車に乗らない?」

「准くんも乗りたかった?」

「うん。」

僕は木村と二人だけになるとなんだかホッとした。

彼女とはずっと付き合っていきたい。

僕の想いが彼女に届いてくれることを祈った。

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