もう一度君を  この腕に
俺は社用車に夕美を乗せて少し走った。

助手席に座った彼女はリラックスしているようだ。

「何年になるのか、こうして会うと何も変わってないように思えて。あなたはどう思う?」

彼女は俺を忘れることができたのだろうか。

俺は全くできていない。

何年経とうがちっとも忘れることができずにいた。

「軽く食べよう。いい?」

「ええ、いいわ。」

俺は通り沿いで目に付いたファミレスの駐車場へ車を止めた。

店に入ってメニューを決め

ドリンクバーで各自のグラスを満たし席に落ち着いた。

「あなたが私の担当なの?」

「今季はね。」

「そう、お手柔らかにね。」

「それはどうかな?」

俺はやっとまともに彼女の顔を見た。

本当だ。

彼女が言った通り何も変わってない。

二人で向き合うとあの頃のままだ。


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