FIRST KISS ~オムニバス~






「楠木。」
「幹也だって。」
「私移動するから。」

“ガタッ。”

立ち上がってリナとアイコンタクト。
リナがここに座れば良い。
リナに何か言われるのも嫌だし。

「え……。」
「あたしがここに座ってあげる~。」

ニコッと笑って座るリナ。
本当に幸せそう。
好きなんだなぁ。

「し、品川!」
「んぁ~?」
「お前ここに座んね?」
「おう。」

ずんずんと歩いてきた太った男子。
リナの嫌いなタイプ。
凄く不機嫌そうな顔してる。

楠木も気が利かない。
ここまでしてれば気付くだろうに。

「楠君と隣が良いな!」
「ごめ、俺一途なんだわ。」
「はぁ!?」

思いっきり睨んでくるリナ。
私、悪くなくない?

ああ、嫌な展開……。





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