FIRST KISS ~オムニバス~









「な、何?」

ポリポリと頬を掻く楠木。
近くで見るとやっぱりカッコいい感じ。
まあ、モテてるもんね……

じゃなくて!!

「あ、あのね……。」

ドギマギする。
だって、こんなことしたことない。

呼びつけるなんて逆に……?

「楠木はさ!」
「?」
「ほ、ホントに私が好きなの……?」

口が滑ったと思った。
だって、楠木が真っ赤だったから。

「そ、そんな顔しなくても……!」
「で、でもよ……。」

上を向いて少し困った顔をすると
もっと顔を赤くしてこう言った。

「……好きじゃなかったらこんなに照れたりとか、しねーし……。」
「…………。」

そんなこと言ってくれたの、
アンタが初めてだよ。








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