FIRST KISS ~オムニバス~
「はぁ……」
リナには何ていえば良いんだろう。
だって、何も言えなかったなんて言って
リナに絶望されたりしないのかな?
迫害されて
恐喝されて
ってこともありえるかもしれない。
恋なんて嫌いになるくらい
感情は人を狂わしていくから。
「あ、お~い!!」
「あ…………」
そんなことを考えていたら
リナが私のところへ走ってきた。
「何処行ってたのよ?しかも楠木君となんて、まさかあたしに黙って抜け駆けしたの?」
「ち、違うよ!」
リナの疑いの目は、
予想以上に怖かった。
まるで汚いものを見る目で
人をゴミに似せて睨む。
その眼が怖かった。
「……い、嫌だって、言ってきた」
だから、私は嘘を吐いた。
嫌なことから、逃げるために。