クローバー♧ハート - 愛する者のために -
とにかくココじゃ、落ち着いて話せない。
実際、私達のやり取りで人だかりが出来始めていた。
あのままじゃ、確実に見世物になっていた。
もう半分、なりかけていたけれど
あの場所に留まるより、幾分かマシだと思う。
後に残してしまった護くんと悠には、申し訳ないけれど――。
きっと、護くんなら何とかしてくれる。
何故だか、そう思える人だ。私、結構彼を頼りにしてるみたい。
「もう!いい加減にしなさいよ!!」
少し人通りの少ない路地に入ったところで、しびれを切らした由依さんが
自分の体重を掛けて、後ろに引っ張り繋いでいた手を振り払った。
人通りが少ないって言っても、誰もいないと言う訳じゃない。
もう少し先に行こうと思たけれど、ココでも大丈夫だろう。
「なんなのよ、いったい」
さっきまで繋いでいた手を労わるように、片方の手で摩りながら私を睨む。
私は静かに深呼吸を一つして、彼女に向き合った。