思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
「おい、蒼空は起きた……かって、おいおいどういう状況だよ」
この声は真だ。
私たちがこの状況だもの、驚いて当然か。
蒼空はスッと私から退くと、顔を伏せたまま部屋を出ていった。
呆然とベッドの上で佇む私に真は声をかけた。
「何があったんだよ」
その声はいつもと違って、とても優しく感じた。
「私、思い出しちゃダメなんだって」
「蒼空が、そういったのか」
何も言わずにコクンと頷く。
「そんな顔すんな」
そう言って、優しく私の肩を抱いた。
「そんなに酷い?」
「ああ、酷いな。いつもみたいに、何でもない顔してろよ。あとこれは俺の希望だけど、"雲を吹き飛ばすくらい笑え"」
「っ……し、しん……」
ドクンと心臓が高鳴った。
真の胸に埋めていた顔を上げ、私は言う。
「ねえ、もう一度言って、そうしたら頑張れるから」