思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中







「っお前、思い出して」




「何言ってるの?私何が言った?聞き間違えだよ」




その時、私はどんな表情をしていただろう。




少し心が軽くって、だけど不安はいっぱいで、自分でもなんとも言えない気分だ。





真を置き去りにしたまま階段を降り、リビングのドアを開けるも、蒼空の姿はなかった。





「優那ちゃん、蒼空起きた?」




随分と遅かったけど、と透が聞く。




「蒼空、来てないの?」




「え、来てないって?」




「部屋を出てって、そのまま」




「ええ!?」





「じゃあ、どこに……」




寮を出たとか?




それなら透たちが気づいてもおかしくはないはず。




「その様子だと、何かあったんだ?」




夕が図星を突いてくる。




「アイツなら、風呂場にいるけど?」




いつの間にか背後に立っていた真がそう口にする。




「そうなの?」




「風呂場の隅っこにうずくまってる。出てこいって言ったけど、嫌だっていって出てこねーよ」




ほっとけと言って真は朝ごはんを食べ始めた。




きっと、透が行っても、夕が行っても、無理なんだろう。




2人とも諦めたようにご飯をたべてるんだから。




だから、私なんかが行ったら、余計無理なんだろうなと思って私も黙々とご飯を食べ始めた。





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