思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
「か、かわ、いい…………!」
透が目を輝かせながらぱちくりと瞬きをする。
「うわぁ、本当だ!可愛いね。でも、全然真に似てない!」
「似てなくて悪かったな」
見せられた写真に写っていたのは、同じワンピースで、クマのぬいぐるみを抱えた可愛らしい2人の女の子。
「口の形が少し似てる……」
「んー、確かに蒼空の言う通り口の形似てるかも。僕もこんな妹が欲しかったなぁ」
「名前は?」
瓜二つ過ぎて間違えそうだな、なんて思いながら訊いてみた。
「左が春で、右が冬」
見事に季節の名前。
このしゃしんを見て、唯一2人の違うところは前髪の分け目が左右逆なことと、髪留めやワンピースの色くらい。
「ね、ねぇ、妹さんって今いくつ?」
透が興奮気味にそう尋ねる。
ちょっと変態っぽい。
「来年小学校に入学。今は年長だな」
「ってことは今はまだ幼稚園生…………」
「透、犯罪は犯さないでね」
ちょっと不安になった。
「優那ちゃん、そんなことはしないから安心して?ただ、一緒に遊んであげたいった思っただけだから。そもそも俺、そんな風に見える!?」
「みえるね」
「みえる」
「うん」
「みえるな」
私含め透意外の皆が同意する。
今の透から危ない匂いしかしないのは事実だし。
「………………泣いていいかな」