思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
電車に揺られて約3時間、ようやく目的の駅に着いた。
私たちが住む都心より、遥かに空気が澄んでいて景色も自然で溢れている。
電車から1歩ホームに踏み出しただけで、世界が変わった……は言い過ぎだけど、打って変わって別世界のようだ。
そこから泊まる場所まで歩く。
「優那、荷物重い?」
「ううん、大丈夫」
「そのバック貸して」
「え?」
肩に下げていたバックをひょいと取られてしまった。
これも、蒼空なりの優しさなんだろう。
「さっき、肩貸してくれたお礼ってことにして」
「ありがとう」
「じゃ、俺はこっちだから!じゃあな。」
途中まで一緒に来ていた山城くんとも、分かれ道でお別れだ。
海でまた会えると思うけど。
「誰だか知らなねぇけど、じゃあな」
そうか、真は違うクラスだから知らないのか。
「委員長ばいばーいっ」
「ばいばい?」
「山城くん、ご飯期待してる」
「おー。あ、その地図の場所ならすぐ海の近くですし、このまま真っ直ぐ歩いていけば大丈夫ですよ」
「山城くん……でいいんだよね。道案内ありがとう!」
「どういたしまして、透先輩」
手を振りながら、徐々に遠のいて行く。
「さて、俺たちも行きますか」