思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中




「あったかい」



湯船に浸かり、ほっと一息を着く。



直ぐ近くに他の4人もいるけど。



結局、全員一緒に入ることになったのだ。



まあ、ある程度の距離は取っているし、本当は良くないけどタオルもしているし、問題はない?のだが。



それにしても、脈が速くなっている気がする。



混浴だから?



確かに、混浴といえばカップルが入るものだと思う。



一応、5人が入れる程度に広さはあるけれど、他の公共浴場よりは狭く感じる。



距離は取っていても、一線程度。


少し意識してしまう。


さっきは咄嗟だったから、何も感じなかったのに。



体が温まったからだろうか。



私は皆に背を向けるように座って肩まで浸かった。




「っ……!」



何を思ったのか、バッと水音を立てて立ち上がった。



「優那ちゃんどうしたの?」



いきなり立ち上がった私に、夕が言った。



後ろを向いてるから、顔は見えないけど。




……あれ、おかしい。



視界がチカチカする。



いきなり立ち上がったせい?




「っ………」



急に体が重くなって、足元がおぼつかない。



「優那ちゃんっ!」


っ……!


夕の呼ぶ声が聞こえる。


一気にふわっとした感覚に陥る。



「優那っ……大丈夫?」



「そ……ら?」



「顔赤い。のぼせた?」



「かもしれない。……ありがとう」



蒼空の手が、しっかりと私の肩を支える。



距離も一段と近くて、心臓がドクドクと鳴っている。



「優那が心配」



「え?」




「___ほら、立ってるとタオルが濡れてて体のラインが透けて見えてるから。それに……はだけそうになってる。そういう姿、他の人に見せたくない」



耳が熱くなる。


耳で囁くなんて反則だ。



「っ……」



蒼空は手を放すと、何事もなかったかのように戻っていった。




「そ、蒼空…………今何を………」




「ただ優那を支えただけだけど」




「それは見れば分かるよ!なんかいやらしいことしてなかった!?」




「してない」




「だ、だって、何か話してたじゃん!しかも耳元で!」




「別に」



「あー、はぐらかした!!」




「ほら、早く上がろう。そうしないと優那が」




「う、うーん……わかったよ」


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