思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
シャワーは、私側とあちら側の別々にあったから、私はずっと後ろを向いたまま、4人が出るのを待ってからシャワーを済ませた。
「はぁ……」
まだドキドキしてる。
温まって少しは疲れが取れたかと思ったのに、なんだかまだ疲れている。
そりゃあこれだけで疲れが取れたら最高だけども。
そうもいかない。
あんなことがあっては、取れる疲れも取れない。
思い出したら、顔から火が出そうだ。
蒼空と会話をすることはなく屋敷に戻ると、すぐに部屋に入りベッドに倒れ込んだ。
夕といい、蒼空といい、どうしてああも距離が近いんだ。
2人とも、私を困らせたいに違いない。
私があんなに動揺するなんてらしくない。
でも、きっとあんなことされたら誰だって動揺する。
動揺するなということの方が無理。
あの2人はきっと、タラシだ。
女の子の扱いなんてお手の物といったところだろう。
まあ、そうは見えないけど。
きっとこのことは、この先何度でも思い出してしまうだろう。
鮮明すぎるくらいに。
なのに、なんで肝心なことは思い出せないんだろう。
ぼんやりしてて、曖昧で、中途半端。
『好きだよ』
幼い声が脳内に流れる。
声変わりをしていない、高い声。
「まただ」
この別荘に来て二度目の感覚。
どうして今になって、こんなことが起こるんだろう。
まさか、お母さんが言ってたことはこういうこと………?
だけど、どうしてこんなに中途半端なの。
もやもやしてしかたがない。