夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)
「北斗っ!」
あたしを抱きしめていた露崎遥の顔を持っていたバックで殴り、拘束が緩くなったところで急いで離れる。
「ほくとぉ…っ!」
困惑した表情の北斗に正面から抱きつく。
周りに人がいたって気にしない。
「姉ちゃんどうしたんだよ」
「…怖かった」
「…はぁ」
ため息をついたかと思うと、あたしを抱きしめて頭を優しく撫でてくれた。
「てか、遥俺のケータイ返せよ」
「はいはい。用事は済んだから返しますよ」
用事??
北斗に抱きついたまま、チラッと向けば、
「ひっ‼︎」
にっこり笑顔の露崎遥と目が合った。
「遥」
北斗が咎めるような声で露崎遥の名前を呼ぶ。
「俺もこれ以上嫌われたくないので大人しくしときますよ」
疲れたような声音で返す露崎遥。
それよりもなんで北斗がここにいるんだろ?
「…北斗」
なんだ。と、目で聞いてきた北斗。