夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)




「…いやだぁ」


「もう諦めてくださいよ」




もうすぐで始まるんですから。と、笑った露崎遥。



どれもこれも全て露崎遥が悪いんだ!!




ムッとしながら隣に座る露崎遥を睨みつけるも、しれっとした顔で流された。




「姉ちゃん静かにしろ」


「…むぅ」




口を閉じると同時に暗くなった館内。





そして、スクリーンにはいきなり血まみれの男が映った。




「……っ⁉︎」




悲鳴を出さないように両手で口を押さえる。




そんなあたしの心情を知らずに次々と出てくる頭のない女だとか、下半身しかない幽霊だとか。




この話はなんでも肝試しにいった男女が遊び半分で廃校の学校に入った話から始まるものだと北斗が言ってた。





「きゃぁぁああ!!!!」





突然爆音での悲鳴が聞こえてきて、我慢してた涙がボロボロ溢れだした。



怖すぎる。




こんなことならあの電話に出なければよかった…!



グズグズ泣いていると、 右側から手を掴まれた。





「…ひっ!」





右側を見れば笑いを噛み殺しながら、あたかも心配をしているような顔をしてあたしを見てくる露崎遥と目が合う。



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