恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
莉理華が、口を開いた。


「ごめん。
私は、要君を傷つけてしまったのかな。

無意識に要君の事、恥ずかしいって
思ってたんだ、きっと」


また、リリィを悲しい顔にさせてしまった。



「でも、要君は、とっても素敵な人だね。
私、感心させれる事ばかりだったよ」



少し目に涙を溜めていた。



「今、自分の中で新たな考えが生まれた。

俺、この感覚が好きなんだ。
自分が成長したって思えることが……。

だから、好きな人と共有出来てることが
凄く嬉しい。

人は、どうしても劣ってる所や、
悪い所に目が行きがちだけど……、

それとは、逆に、
良いところも見つけられるってことだから」



莉理華の目から涙が流れた。



「本当、要君は……」



要は、流れた涙を指で掬った。



「リリィ、そんな顔しないで」



莉理華は、要の顔をみて、泣きながらも、
笑顔を作った。



「私、要君を好きになって良かった」



その言葉と笑顔で俺は、何度も恋をする。



「リリィ」


優しく名前を呼んで、頬に手を添え、
少しだけ長くキスをした。


本当は、もっとしていたかったけど、
この真っ赤の顔と可愛い表情を見ていると

今日は、このくらいにしたあげようと
思う。



「か、要君、あの、その……」



キスくらいでこれだけ、動揺して
恥ずかしがってくれてる。


キス以上のことしたら、どうなるのか
興味が無い訳じゃないけど、


楽しみは後にとって置きたい。



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