恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
   ある日の学校


「聖、今日も部活か」


「うん、後、もう少しで終わりそうなんだ」


「絵画コンクール出す必要ねぇだろ」


「一応、部活動だから」


一応、部活動だから描けって、
部長さんに言われたんだよね。


「そうなんだね、私も見たい」


「まだ、完成してないから、完成したら
見せてあげるよ」


「楽しみにしておくね」


「お前ら、カレカノらしくなったな」


「い、いっくん、何言ってるの!!!」


「そうだよ、郁磨君」


「ハハハッ」




 部活の時間 (部室) へ


はぁ、いっくんが変なこと言うから、
凄く疲れた、幸来ちゃん好きなこと
黙っといてって言ったのに。

もう、いっくんは!


ザワザワッ……。


なんだ、部室の前が騒がしい。

あっ、部長さんだ。


「部長さん、どうしたんですか?」

「御木、お前の作品が……」

「えっ。」


そこには、カッターで切り刻む様に
キャンバスがボロボロになっていた。


「何、これ」


「御木、大丈夫か、御木……」


はぁ、はぁ、はぁ


誰がこんなこと、どうして、


はぁ、はぁ、はぁ


僕の作品、気に入らなかったの。


もっと、上手くなるから、

僕の事、捨てないで……。


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ


お願い、ねぇ、僕の事、嫌いでいいから。



一人にしないで……




「おい、聖!!!」


「いっくん」


「大丈夫か、聖」


全然、駄目だ、ヤバイかも。


「聖、ちょっと此方」



< 13 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop