恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
「次に、彼女と言うか、女の影すら見えない。
お前は、どうなんだ、政樹」


「えっ、俺」


「そうだよ。
以外とモテんだろ、ある意味男女問わず」


「航介、誤解を招く言い方は止めて」


父さんの恋事情、聞きたいなぁ。


「ほら、自分の可愛い子供達も興味
持ってるみたいだから」


「面白い話じゃないから」


「先ずは、再婚する気とかねぇの」


えっ、再婚?


「父さん、結婚してたの?」


「あぁ、聖には言ったこと無かったな。
実は、そうなんだ。

18の時に結婚して、20の時に妻を亡く
してるんだ。
まぁ、元々、体が強い方では無かったから。

二年間の結婚生活だったけど、
凄く幸せだったよ」


言葉の通り父さんは、幸せそうな顔を
していた。


「でも、俺もあの時はビックリした。
だって、10歳上くらいの人と結婚したから」


「正確には、一回りだよ」


「あぁ、そうだった。
18の男が30の女と結婚だぜ。

最初、アホだと思った。

まぁ、結婚する理由きいたら、納得した
けどな」


「懐かしいようで、まだ彩りが鮮やかに
残ってるんだ」


本当に好きだったんだ。


「それに俺の幸せは、子供達の成長だ。
今も十分幸せだからね。

まぁ、いい出会いがあれば、するんじゃ
ないかな」


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