不良にならなきゃ★始まらない?!
「案外、可愛いじゃん」
「楽しもうね」
「ちょっと痛かったら、ごめんね」
男の一人がニヤニヤしながら、私に目隠
しをしてきた。
怖くて、声も出ない。怖い…怖い…誰か
助けて。
真っ暗闇の中、誰かが、私の髪の毛に触
れてきた。怖くて、身体が震える。冷た
い台に寝かされて、私は男達に弄ばれる
んだ。
涙が、こぼれてきた。
ブラウスのボタンに、男の手がかかった
その時。
バーン!!!
突然、爆発したような音がしたかと思う
と、物凄い唸り声が聞こえた。
「うおおーー!!」
男達の悲鳴とともに、台が激しく揺れる
のを感じた。
喧嘩?
そして、急に静かになった。
誰かがまた、私に触れてくる。緊張しき
った身体が、ピクッと反応した。さっき
とはちがう優しい手つき。その人は、私
を抱き起こし、台から降ろした。
「大丈夫か…?」
後ろから、抱きしめられた。
涙が、溢れてきた。
助けに来てくれたんだと、やっと理解で
きた。
『琉聖くん?』
思わず、その名前が口からこぼれ出た。
「いや、俺だよ」
低い声、震えてる。いつもの高いトーン
とは違うから、気づかなかった。
私を包み込むように、抱きしめるその腕
は、小刻みに震えて、息は乱れている。