阿漕荘の2人
紫子side


「はい、しこさーん、じっとしてねー」


今夜の合コンに備えて
櫻子邸にて
戦闘準備中

「あーくすぐったいなぁ」

「黙れ」

「はい」

メイクを施しているのは櫻子

メイクを施されているのは紫子


「しかしまあ、流石、ズカ部の
部長やな

メイク道具がプロや」

「当たり前でしょ

私は美を追い求めるティンカーベルよ」


「そうゆう名の妖怪か」
冗談なく櫻子のメイク技術はすごい

彼女なら
いかなる妖怪も
ティンカーベルにさせてしまう

「はいっ
次はマニキュアね

足出しなさい」

「あんたは本でも読んでなさい」


本を出された

……ファーストレディの心得

櫻子はんはこんな本をよんどるんやろか?

ファーストレディってあの
ファーストレディか?

いや、ファーストレディとい名の
ホステスかもしれへんよな

まてい

櫻子はんはファーストレディになりたいんか?

んー

ありえへん話やないな


んー


中身をみる


んー

挨拶の仕方、食事に
ドレスの着方……

「櫻子はん

うちは芦屋のお嬢様なんやで」


「しこ、貴女喋っちゃダメよ

喋っちゃ、ぶち壊しよ」

「合コンで喋るなって
そんな無茶な……」


「貴女はハイド様なんだからね

私がオカマ男の知り合い見つけてあげるから」


「なんかれんちゃんに恨みでもあんの?」

「さぁ、ウィッグをつけるわよ」


紫子のショートカットの上に
茶髪のロングヘアをセッティング



「んーいいわねー

あんた、何気に顔小さいのよね」

櫻子はご機嫌である


「さぁお洋服よ」

「なぁ、ほんまにこれきんの?」

「もちろん」


先日の買い物で紫子に選んだ服


膝上15㎝の紺のワンピース

ウエストがしぼまれ

バストが強調されている

白のカーディガンを羽織ることで

お嬢様度アップだとかなんとか


「いいわね

あんた、身長があるから手脚は長いし

背筋はいいし


何よりバストが理想的だわ」


そう、実は紫子

何気に豊かなバストの持ち主だ

「あんたな…ホンマに変態やで」

「ズカ部に欲しくてたまらない存在だわ」


紫子の支度は終わり
今度は櫻子自身の準備に入る



さぁ、合コン開始まであと一時間……
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