Dilemma
第2刻・彼女と彼女の逃避術
始まりはいつだって爽やかな朝である。


「おはようさん。」

「…おはようさより女」

「あははははいい加減ちゃんと名前で呼んでぇな!」

朝から元気な棗とものすごく迷惑そうな志暢。
一見、正反対に見えるかもしれない。
だが、案外馬は合うらしい。


「そういえば、今朝は愛ちゃんと一緒やないんやね。」

「バーカ、アイツとはたまたま一緒にいることが多いだけで、別に仲が良い訳じゃねーよ。」

「あらそうなん?」

それ愛ちゃんが聞いたら傷付くんちゃう?と軽口を叩きながら教室へと向かう。
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