【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

畑さんは私に朝の流れを簡単に説明すると、今日は見てるだけでいいからと言ってくれる。


とても優しくて親切な人のようで安心した。


いつもふてぶてしい琉衣くんも、畑さんの前では割と素直で。


二人が生地を丸めたり成型しながら朝の仕込みをするのを、私はじっとそばで見ていた。



それにしても…琉衣くん。


ずいぶんと手際がいい。



長年パン作りを手伝ってきた私から見ても凄いなぁって思うくらい、丁寧で、正確で、早くて。


それを見て私は彼の髪からいつも香ってくるバターの香りの秘密がわかった気がした。



琉衣くんはいつもこうしてパン作りをしてたんだ。


知らなかった。


なんだか親近感がわくなぁ…。



だけどそんな思いとは裏腹に、彼はやっぱり冷たくて。



「おい亜里沙邪魔!!そこどけ!

ボーッと突っ立ってんじゃねー!!」


「す、すいません!!」


「言っとくけど見学は今日までだからな!

明日からお前も働くんだぞ!!」


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