真実の愛のカケラ
「宮野さんこそ、もう少しこの会社のことを理解して新店舗の開発にあたってもらいたい。
各界の著名人が足を運ぶレストランだってあるんだ。
そういうイメージを壊すようなことは…」



「なんですかそれ」


柚希が俺の言葉を遮ったことで、ピリついた空気が張り詰める。
どちらとも後に引けない状況に、睨み合いが続く。


「お二人とも今日はここまでにしておきましょう。

席数のことはもう一度検討するとして、まずは落ち着いてください。
冷静な話し合いができなければ、良いレストランは作れませんよ」


堺さんは俺たちの間に距離を開けさせ、黙ったのを見ると会議室を出ていった。
空気に耐えられなくなったのか、それに続いて山口さんも出ていき、2人で取り残された。
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