真実の愛のカケラ
「拓哉さん。
専門分野が違えば、衝突するのも当然です。


これは私の考えですが、だからこそ社長は拓哉さんの最後の修行を宮野さんのプロジェクトにしたのではないでしょうか?
お互いに違うものが見えているのなら、わかり合えたときの視野は一段と広がるものです。



宮野さんは、会社の伝統からは一本外れた道を行かれる面白くて有能な方です。
新しい道を切り開きたいのならば、彼女の手を離してはなりません」


最後の言葉だけが妙にクリアに聞こえた。


繋いだ手を離すつもりなんて微塵もない。
この会えずにいた1週間で、柚希がどれだけ大事な存在なのかを痛いほど思い知らされたんだから。
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