プロポーズは朝陽を浴びて
 翌朝――。

 部屋に朝陽が射し込み、眩しさにすみれが目を覚ます。
 背中に烈のぬくもりを感じてぼんやりした頭に、少しずつ昨日のことがよみがえる。
 彼のほうはまだ眠っているらしく、寝息が聞こえてきた。

 泥酔×愛を交わしているところに、プロポーズって……どうなの?
 わたしも真に受けて、答えてしまったけど。
 果たして烈は、昨日のことを覚えているのだろうか?
 玄関であんなことされたの初めてだったし、ベッドでの烈も凄かった。
 今更ながら恥ずかしさが込み上げてきて、両手で顔を覆う。

「……?」

 ふと顔に硬いものが触れて、慌てて手を遠ざける。目の前に手をかざすと、指でなにかが煌めいた。まだ霞む視界が一瞬にして目覚める。
 昨日まではなかった、薬指にキラリと光る指輪。
 サイズもピッタリだ。

 いつの間につけたんだろう……?

 不思議に思っていると、後ろから大きな手が伸びてきて大きさの違うすみれの手をそっと握った。寝ていたはずの烈も起きたようだ。その薬指にも、お揃いの指輪が輝いている。

「烈くん……」

「昨日はごめん」

 申し訳なさそうな声に、首を振る。

「本当は今日、改めてプロポーズするつもりだったんだ。だけど、指輪を買ったら待ちきれなくなって」

「待ちきれなくなって、酔っぱらってきた?」

「1回断られてるから、お酒の力を借りようと飲んだら飲み過ぎてしまった。ごめん」

 素直に謝る烈が愛しくて、すみれは笑顔を浮かべる。
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