プロポーズは朝陽を浴びて
 繋がったまま再び烈がキスをはじめたときは、すみれも同じくらいの強さで烈を求め、一瞬でも離れたくないというように彼の頭を抱きしめ、舌を絡み合わせていた。

 気持ちが高まり、再び弾けそうになったとき、すみれの声と体の反応でそれを知っていた烈が突然動きを止めた。
 キスをしていた彼の唇が離れ、違和感を感じたはすみれは瞼を開ける。

「……烈、くん……?」

 力の入らない声で呼びかける。

「俺が欲しいっていって。俺の全部が欲しいって」

「烈……」

「すみれの口から聞きたい。聞くまで動かないからな」

「えっ……」

 体は繋がったままの烈の発言に、どこかに飛んでいっていた理性が帰ってきた。

「俺はいつだって、未来もまるごとくれてやるって気持ちですみれを想ってる」

 もしかしてプロポーズ?
 こんな状況で?

 烈は答えを待っている。
 すみれのなかに入ったまま、果てることもなく動くこともない。男としては動きたいだろうに、時おり辛そうに顔を歪めながら動くのを必死に耐えている。

 わたしは応えていいの?

「わたし……」

 言葉が続かない。
 この先に口にする言葉が、大きな意味を持つことがわかるからこそ、余計に軽はずみなことはいえない。
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