指先からはじまるSweet Magic
『せっかく綺麗な髪なんだから』
脳裏を過った言葉と同時に、私の髪を愛おしそうに見つめた圭斗の瞳を思い出して、ドキンと胸が高鳴った。
「まあ、後一ヵ月もしたら圭斗君のサロン、オープンするし。そしたらせいぜい贅沢に甘えさせてもらえば?」
「え?」
真っ直ぐ前を向きながらクスクス笑う香織の横顔を、なんとなく見上げた。
早いよね〜、と、香織は特に変わった様子もなく反応する。
「ついこの間、挨拶のハガキ来たよ。確か、今週末で今のサロンは辞めて、そのままサロン開店の準備するって」
「そ、……なんだ」
無意識でそう返事をしながら、私は惰性で人の群れに紛れながら、通りを行き交う車に目を遣った。
人混みに紛れていても、それほど不快感を感じない。
周りを見渡すと、中には長袖の秋服を先取りコーディネートしたOLの姿もある。
私が一人悶々と悩み続ける間に、季節は確実に一歩先に進んでいたようだ。
「……とうとうオープン、なんだ……」
ついぼんやりと頭上を見上げながらそう呟いた。
圭斗のサロンを訪ねたあの夜から、私はずっと圭斗を避けていた。
元々休日も出勤時間も全く違う。
だから、意識的に顔を見ないようにするのはそれほど難しいことじゃなかった。
脳裏を過った言葉と同時に、私の髪を愛おしそうに見つめた圭斗の瞳を思い出して、ドキンと胸が高鳴った。
「まあ、後一ヵ月もしたら圭斗君のサロン、オープンするし。そしたらせいぜい贅沢に甘えさせてもらえば?」
「え?」
真っ直ぐ前を向きながらクスクス笑う香織の横顔を、なんとなく見上げた。
早いよね〜、と、香織は特に変わった様子もなく反応する。
「ついこの間、挨拶のハガキ来たよ。確か、今週末で今のサロンは辞めて、そのままサロン開店の準備するって」
「そ、……なんだ」
無意識でそう返事をしながら、私は惰性で人の群れに紛れながら、通りを行き交う車に目を遣った。
人混みに紛れていても、それほど不快感を感じない。
周りを見渡すと、中には長袖の秋服を先取りコーディネートしたOLの姿もある。
私が一人悶々と悩み続ける間に、季節は確実に一歩先に進んでいたようだ。
「……とうとうオープン、なんだ……」
ついぼんやりと頭上を見上げながらそう呟いた。
圭斗のサロンを訪ねたあの夜から、私はずっと圭斗を避けていた。
元々休日も出勤時間も全く違う。
だから、意識的に顔を見ないようにするのはそれほど難しいことじゃなかった。