キミの一番大切な人

「え？それでいいんじゃないの？



何かダメなことある？」



咲が難しそうな顔をする



「私は、中山くんに近づきたいのに、最近奏多の方が距離近いような感じしちゃって…」



「なるほどね…」



咲が納得したように言う




「けど、それは理沙が動かないとダメなんじゃない？




お化け役は別に安藤くんとやってもいいと思うけど、例えば、後夜祭の花火の時、中山くんを誘うとか…」


私たちの高校は日曜日にある後夜祭で花火が上がる




その花火を一緒に見ると、友達でも彼氏でもずっと仲良しで居られるって言うじんくすがあったような…




「けど、去年は咲と見たから、今年も咲と見ると思ってた…」




「私もそのつもりだったんだけど、理沙と中山くんが全然進展しないのは嫌だし…



私はクラスの女子誘うから、理沙は心配しないで！」



咲は笑顔を向けてくれる