キミの一番大切な人
二人で歩く帰り道は



なんだか少し照れ臭かった。


私は163㎝の身長だけど、中山くんは175cm以上あって



あんなにかわいく笑うのに、やっぱり男の人なんだって思った



「なあ、松川の好きなものはなんなの?」


んー、食べ物でもいいのかな?


「えっと、クレープかな」


クレープは、昔お父さんに食べさせてもらって以来、大好きな食べ物。





「そっか。



知ってる?駅前にできた新しいクレープ屋さん」



「え!?


そうなの!?行きたいな」



「だよなー


今度クラスのやつら誘ってみんなでいかねー?」




え!行きたい!

「うん!いこ!


楽しみにしてる」



「おう」


あー、とっても楽しみだな。



なんか、高校生って感じ。



それから少し歩いていると、中山くんが立ち止まった




「雛…」


そこには、彼氏と腕を組んで歩く雛さんがいた。



本当に幸せそうな顔で。



それをみている中山くんの顔は、悲しそうだった。



「松川行こう。」



「うん…」


それからの中山くんは、どこか遠くを見つめていて。



私のことなんか見えていないように感じた。



家についたら、中山くんは、じゃーなって小さな声で呟いて帰っていった。

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