本当のわたし
俺たちに必要だったのは、自分の気持ちをちゃんと言葉にすることなんだと思う。

想っているだけじゃ伝わらない事もある。
自分の想いを口にする事も時には必要なんだ。それは時としてその人にとって1番欲しいものなのかもしれない。

陸斗の言葉に母さんはぐちゃぐちゃの顔で泣きじゃくった。

「ごめんね、優希」

そう言って抱きしめられた。何年ぶりだろうか。恥ずかしい気持ちもあるけど、やっぱり少しだけ嬉しかった。人の愛情は暖かいものなんだなと感じた。

「ごめんね、陸斗」

そう言って陸斗に頭を下げた。

「もう過ぎたこと良いよ。俺もさっき怒鳴ってごめんね。」

そう言って母さんに…梨花さんに頭を下げた。

こうやって3人でいると小学生に戻ったみたいで懐かしい気持ちになる。当時は陸斗を受け入れる事ができなかった分、おかしな話かもしれないけど初めて3人が家族になれた気がした。

グゥー

「あ、ちょっと…あのその…しばらくちゃんとご飯食べてなくて、、気が抜けたらなんかお腹すいたみたい…」

そう言って顔を真っ赤にする陸斗が面白くて梨花さんと一緒に腹抱えて笑った。

「太一さん、彼方が寝てからこっちに来るって言ったのよね?まだ時間あるから私が何か作るわ。あの、その、2人が良かったら…」

「ありがとう、3人で食べよう。」

俺の言葉に梨花さんはまた泣き出して抱きついてきた。

久しぶりに食べる梨花さんの料理は暖かくて美味しかった。この味を覚えていたいと思った。
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