本当のわたし
「遅くなってごめんね。」

20時を過ぎたくらいに三木さんが来た。

そうしてちゃんとみんな冷静に話し合いを進める。

「もし僕の子供だったとしても、僕には彼方くんを育てる資格はありません。彼方くんにとって血の繋がりがどうであれ父親は三木さんただ1人だと思いますから。でももし梨花がDNA鑑定を望むのならそれに協力はします。」

「私は今後何かあった時のためにDNA鑑定はしておきたい。それは自分のためじゃなく、彼方が健康で元気に生きていくためにも必要なことなんじゃないかと思うから。」

「僕は結果がどうであれ彼方は僕の子供だって胸を張って言います。血の繋がりは関係ないんだ。それは優希くんだってそうだよ。検査をしたらいつか彼方に話さなきゃいけない日が来る気がする。そしたら彼方が辛い思いをしないか怖いんだ。」

それぞれの想いをぶつけ合う。俺が話すべきなのか分からなくて黙ってしまう。

「優希くんはどう思う?」

その気持ちを察したのか三木さんが俺に話を振ってくれた。

「俺は…俺は、どちらでも良いと思う。結果がどうであれ三木さんの彼方へ愛情はきっと変わらない。梨花さんの気持ちも本物だと思う。確かに彼方は陸斗とどことなくて似てるけど、あの人懐っこさは三木さん譲りだよ。側から見たら欲張りかもしれないけど父親が2人いてもいいんじゃないの。」

俺の素直な気持ち。
俺が兄貴として彼方へ向ける精一杯の愛情と俺が息子として三木さん、梨花さん、陸斗に向ける精一杯の感謝の気持ち。
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