お隣さんと内緒の恋話
一人で気合いを込め発した言葉に二言はない。
お昼ご飯を二人で見て思う。
「 ママ… やっぱ作りすぎ?」
こんなにも冷蔵庫に入らない食材で作れるもんなの?
「 作りすぎか?正直 俺にはありがたいけどな 」
葵…
お母さん、いないんだよね… ごめん。
「 良かった、葵がいなかったら 食べきれなくてポイするとこだよ 」
「 ははっ 逆に嬉しいよ。けど、すごいな 」
「 ほんとだよね~ お好み焼きに 野菜炒め、なめこ汁、サラダにワカメ?この白いのは… あ、長芋!そんなものまで入れちゃう?」
「 長芋を短冊切りにすると 歯ごたえがいいし、食べた時の音がまたいいんだ、うまいよ 」
短冊切り? え、なにそれ…
短冊なんて七夕じゃないの?
って言ったらダメな気がする…
「 長芋だけでもいいぞ、卵の黄身とかつおぶし、醤油かけてさ。雅が好きなんだ 」
へぇ…
「 なんか お酒のつまみみたいだね、パパがそういうの好きかも 」
「 そう、つまみだな。いただきますっ」
「 うん!いただきます!」
私の前で 私よりも料理の知識がある葵に少し驚くが、反対に 何も知らない私は家庭科で何を学んでいたんだと情けなく思う。
反面、葵が うまいと言いながら ご飯を食べる姿に 見るたび笑顔になる。
私も 自分で作った物を葵に、こんなふうに食べてもらいたいな…
何度もそう思い、自分に誓う。
「ねぇ 葵、私さ ほんと言うと料理出来ないの… でも、絶対に作れるようになるから!」
「 椿… わかった。毒味役は俺がしてやるよ 」
えっ!!
「 ちょっ、毒味!? なんで毒味になるの!ひどいよ 葵~ 」
「 楽しみだから言ったんだよ、椿が俺に作る料理がさ… 失敗からうまくなるまで ずっと毒味するよ 」
葵…
そんな嬉しいこと言わないでよ。
先走って想像しちゃうじゃん、未来をさ…
でも毒味ってのは…ねぇ…