お隣さんと内緒の恋話
見覚えある女子二人に、名前が出てこず考える。
誰だったかな…
「 お前らも来てたんか。ナンパには着いてくなよ?」
ナンパ?ないでしょ…
「 もう、先生ってば~ ナンパなんか無視ですよ。先生は何してんの?」
「 俺か?マスク買いに来たんだよ 」
同じ説明するんだ…
「 私たちも一緒に行っていいですか?」
なぬっ ダメに決まってるから!
「 マスクはもう買ったんだよ、今から帰るとこ 」
は~ 良かった。
「 えー!帰るの~ お茶しようよ、先生 」
ちょっと~
柱の影で戸惑う私、葵は呆れている。
雅は困ったのか、困ったフリなのか 迷っている。
「 ごめんな、帰って犬にエサやらなきゃ… また会ったときな?」
犬にエサ!?
犬に、エサ… って、香澄さんの事ね。
確かに夜会う約束してたもんね…
「 ええ、せっかく会ったのに~」
結局 雅は二人の誘いを断り、私は二人の名前を思い出せなかった。
雅が二人が手を振り終わるのを見送りながら 一息ついく。
「 葵、椿ちゃん、また誰に会って声かけられるかわかんないし、別々に駐車場に行くよ 」
「 はい、了解です!」
なんとか駐車場まで誰にも会いませんように!
雅はエレベーター、私と葵は手を繋ぐのをやめて エスカレーターで駐車場に向かった。
3階からさらにエスカレーターで上がれば駐車場。
でも、その手前で会いたくない人に会ってしまった。
「 椿!」
え… あ!! ウソ… なんで~
「 玲音… 」
どうしてここで会うの…