お隣さんと内緒の恋話
玲音の勘違いは理解不能なほどだ。
その玲音が私の前にいる。
そして私の隣には葵がいる。
「 上山? なんで上山と…」
ん~ あんたに説明しても無理だし…
彼氏って言っても逆に信じないしなぁ…
まさか ここに雅くんが現れたりしたら…
「 おーい、遅いぞ~ 何して… 」
あぁ! 雅くんのバカ…
私と葵を待ちきれなかったのか、先にエレベーターで行っていた雅がエスカレーターで降りてきたが、玲音がいたことに引き返えそうとした。
「 おいおい、先生!それ下り専用だろ 」
「 そうだよ、危ないです!」
言われて諦めた雅は おとなしく降りてきた。
バツが悪い私と葵、雅は玲音の視線を嫌々受けていた。
「 …やっぱりな。俺の勘違いじゃねぇじゃん。
椿、上山先生と付き合ってるくらい 隠すなよ 」
だーかーらぁ、違うっつの!
「 玲音!私、彼氏いるってば!何回言えばわかるのっ 」
「 はいはい、隠すなよ 」
「 だから!」
いい加減にしてよ、私の彼氏は今ここにっ
「 俺だよ、俺が椿の彼氏だ。付き合ってる 」
葵…
玲音に向かって 葵が ハッキリと自分が彼氏だと言った。
驚く玲音が 雅を見て、葵を見た。
葵… 私 嬉しいよ。
「 …まったく。上山、先生を庇うのか?お前と椿がなんてあり得ねぇだろ 」
な… ひどいよ、玲音…
ひどいよっ!!
私は 玲音を睨み 肩を強く叩いた。
「 イテ… なんだよ、椿 」
「 あり得ねぇって何よ、玲音… 私とあんたのがあり得ないし!
私は先生じゃなくて、上山 葵と付き合ってんのよ!
先生なんか眼中にないわ!
いい加減 人の言うことちゃんと聞きなさいよっ 」
はっ、言ってやったわ。
超スッキリ!