お隣さんと内緒の恋話

私がはっきり言った事に、玲音は眉間を寄せた。


わかってよ、玲音…


「 ダサ男が彼氏だと?」

「 私にはダサ男じゃない!」


葵なんだから。


「西脇、聞いての通り、俺は織原とは付き合ってないよ 」

「 先生と付き合ってたら嫌でも隠すのが普通だろ、信じねぇよ 」


も、玲音… バカ。


「 西脇… 信じなくてもいいが、上山 葵は俺の弟だ、ダサ男とか言うなよ。
椿ちゃんは葵の彼氏で たまたま ここに買い物に来たんだよ。
じゃあ、また学校でな 」


雅くん…

言ってくれて嬉しいけど、たぶん、今のは玲音にしたら カモフラージュとしか考えないと思うよ…


「 椿、嘘でも 先生にまで言わせるとはな… 」


玲音に言われても、私や雅は事実を言っただけにすぎない。

信じないなら、仕方がない。


玲音、あんたが そんな奴だったなんて…

笑里は 玲音が好きなのに、かわいそうだよ。


私は 玲音に振り返らず、葵と雅とエスカレーターを上がって駐車場に来た。

室内から外の空気に変わり、一気に体が冷える。


「 は~ 寒いね 」

「 さ、帰ろうか。葵、椿ちゃんと留守番してろよ 」

「 門限守れよ、雅 」


あはは… それがあった。

雅くんがデートで、私は葵と二人きり。


「 葵、ご飯 どうしよっか?」

「 椿ん家、材料あるだろ? 俺が作るよ 」


いや~ん、マジですかぁ 嬉し~


「 じゃあ、私も一緒に!」


夜が楽しみです、はい。


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