お隣さんと内緒の恋話
葵の横で聞いていた雅も眉間寄せていた。
「 なんで葛西が…」
「 椿ちゃんを呼び出すのはなんでだ?俺ならわかるけど…」
あ、確かに… 言われてみれば。
「 なぁ 椿、葛西は雅の事で学校に話すって言ったんだよな?」
「 そう。だから、彩香さんが雅くんといたのがバレて、彩香さんと… ん~ 付き合うのをやめさせるために学校に言うとかじゃないの?」
「 いや、違うな。俺が彩香を送る前後は見られてないはず… って事は?」
って事は?……なに?
雅くんと彩香さんが関係なくて、私と…
「 椿ちゃん、もしかしたら 君と葵が一緒にいたのを見たのかも… ただ昨日は葵は俺のフリしてただろ?
誤解したんじゃないか?」
あ…… そっか、そういうことか。
「 葛西くんが葵を雅くんだと思ったから 私に学校に言ってもいいのか?って言ったんだ 」
頷く雅に、葵は ため息つく。
「 確かに雅のフリでいたけど、マジで間違えるか?」
ん~ 似てたもんねぇ ほんと マジで。
「 葵、俺たちでカモフラージュが出来るってわけだな 」
雅くん、おバカ。
雅を睨み無視する葵は私を見る。
「 椿、どうする? 」
行かないと何言い出すか…
ちゃんと雅くんじゃないこと説明しないと 玲音の時みたいになっちゃう。
また 雅くんファンにドヤされちゃうよ…
「 なんなら 俺が…」
そう雅が言いかけると、葵が雅を睨んだ。
「 椿、一緒に行くよ。葛西に説明しないと 」
葵…
「 うん!」
「 じゃ 俺も 」
いや、雅くんくんがいたら ややこしくなっちゃうからさ~
やめよ?
「 兄貴はいいよ、来なくて 」
「 葵だけじゃ納得しないだろ? 行くよ。ね、椿ちゃん 」
あ~あ、確かに…