お隣さんと内緒の恋話
雅はニコニコ、葵はふて腐れ、私は苦笑。
玲音の勘違いから一変、次は葛西。
早めに対処するべきと 改めて話し、3人で葛西との待ち合わせ場所、デパートに行くことにした。
葛西くんは玲音と違ってくれればいいけど。
「 2度と雅のフリなんかしねぇ 」
車の中で呟く葵に、雅はミラー越しに言う。
「 葵、俺たち似てるから仕方ないぞ?いいじゃないか、俺と間違われたくらい 」
いや、たぶん 葵が嫌なのは違うとこ…
「 椿と付き合ってんのは お前じゃねぇ!」
そう、そういう事。
それを勘違いされて機嫌悪いと。
デパートに着くと 無意識に深呼吸してしまう。
「 さて、葛西が待ってるけど 揃って行くのもなんだから、俺は時間差で行くよ。葛西に誤解だってわかるように 」
わざわざ?
「 椿 」
「 うん。じゃあ 雅くん あとで 」
雅と入口で別れ、先に葵と葛西の待つフードコートに向かう。
ちょっと緊張するな…
フードコートに着くが葛西が見あたらない。
「 葛西まだ来てないみたいだな 」
「 なんか飲んで待ってよ 」
「 俺 買ってくるから その辺に座ってて 」
葵に言われ素直に近場の席に座ろうと見渡すと、たまたま空いていたベンチシートの席に座った。
ふうっと一息吐きながら葛西を目で探す。
ふいに目の前に現れた葛西に私は一瞬固まった。
「 葛西くん…」
「 織原、悪りぃな 呼び出して 」
ビックリした…
「 ううん、話は何?学校に言うとか、わかんないけど…」
「 上山先生はいないんだな 」
やっぱり、雅くんと葵を誤解したんだ…