お隣さんと内緒の恋話

私が雅に携帯を取り上げられてはいないが、その姿を生徒達に見られては かわいそうと言われる。


「 先生、椿に携帯返してあげて~」


そうだよ、もっと言って!

携帯 早く返してよ~


生徒の並みが落ち着いてきたところで、廊下の先に壮真がいるのが見えた。


あ、ちょっと、いた!


「 先生、お願い、私 行かなきゃ!壮真行っちゃう 」

「 壮真って 風見か?なんかあった?」


んもう~ そんなの知らない!


「 いいから、早く~」

「 貸しだな、ほら 」


また… 貸しでもなんでもいい!


私は携帯を返してもらい すぐさま壮真を追いかけ走る。

廊下の先にある階段で私は壮真を見失い、階段を駆け上がる。


どこよ~ どこにいるのよ~


探しているうちにチャイムが鳴り、私は諦めて教室に急いで戻った。


「 椿、遅刻寸前?」

「 香伊羅… 今日は早く来たの、柚奈は?」


いない… カバンもない。


「 休みかも 」

「 え… 」


なんで、休み? もしかして壮真とケンカしたから?


香伊羅と話していると、日直の笑里が側に来て 柚奈の休みを先生から聞いたと教えてくれた。


嘘でしょ、ケンカで学校休み?

柚奈… どうしちゃったの…


私より後に壮真か教室に戻り、雅が教室に入った。


壮真…

私が壮真を見ていても、1度も私を見ようとしない。


おかしい…

柚奈が学校休むほどのケンカって何?

壮真…


絶対 聞き出してやる!

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