お隣さんと内緒の恋話
私はテストだということもあって、授業中は壮真わー忘れ、休み時間になるたびに、壮真を捕まえに行くが 壮真は毎度いなくなる。
私の席には香伊羅や笑里が来る。
ん~ 壮真、逃げてる?
「 ねぇ 香伊羅、笑里、柚奈からなんか聞いてない?」
二人は顔を見合わせて わからないと言った顔をしている。
私はおもいきり鼻息を飛ばした。
「 柚奈がどうかしたの?」
「 休みなのは風邪じゃないの?」
「 だってテスト期間入ったんだよ?あの柚奈が休むなんて… それに、壮真とケンカしたらしいの、なんか気づいたことない?」
そう聞いても、香伊羅や笑里には思い当たることがなかった。
「 今日さ、終わったら柚奈ん家行く?」
「 ん~ その前に確かめなきゃ… 」
「 じゃあさ、次の時間のテスト終わったら、玄関ね 」
香伊羅の提案に笑里も賛成し、私は柚奈に会う前に壮真に確かめるべく、気持ちを力ませた。
柚奈、待っててね!
壮真… 逃がさないから!
一人燃える私はテストをしっかり埋めつくし、合間に壮真に念を送るように見る。
ふと、壮真を見ている時 視線を感じた。
私は そっと葵をチラリと見る。
葵… もうテストやっちゃったんだ、さすが。
肘つく葵も なんか いいなぁ…
眼鏡をクイッと上げて私を見た葵が、目線下にしながらも笑みを見せた。
キューン… とした私の胸に小さな花が咲く。
ああ、柚奈… 今だけ、今だけ 葵に集中させてね。
ヤバイわぁ はぁ、葵… いい感じ~
葵をチラチラ見て自己満足していると、机をトトンと叩く雅が目の前にいた。
「 織原~ ポケーっとしてると赤点だぞ?ちゃんと確認しないと、俺は助けてやらんぞ 」
「 あははは~… 」
くっそぅ 雅くんめっ
軽く笑い者にされた私は ムスッとして何気に 壮真を見ると、壮真が私を見て目が合うと あからさまに避けた。
あっ!! 壮真…
絶対、怪しいっ