お隣さんと内緒の恋話

「 はい、どうぞ~ 紅茶ね、レモンいるなら入れて。あとポテトね 」


目の前に紅茶を置いたもののバジルソルトをポテトに振りかける。

柚奈と加純はまだ喋らない。

状況は私にもわかる。

互いに壮真との関係を立ち切ってほしいと思っているはず。


話さなければ胸の内はわからない。


加純が自ら柚奈を訪ねてきたにもかかわらず口を開かない。

柚奈は柚奈で頑なに口を閉ざしている。


あ~…

ポテト食べよかな。


「 うまっ!ねぇ 美味しいよ、これ!」


は~… 無反応ですか。

あ、そう… ここまで来て話さないってか?


「 ほんと うまーい 」


一人黙々とポテトに手を伸ばす。

壮真のせいだよっ

この重苦しい二人をどうしてくれんのよ!



「 あのさ、二人とも飲んだら? ポテトは? 私 食べちゃうよ 」


……あは。やっぱ返事なし。

ダメだぁ~

耐えらんない、もう無理っ



私は小さく深呼吸して 机をバンッと叩いた。

ビックリする柚奈と加純が私を見る。


「 椿?」

「 あのさ!いい加減にしない? 加純さん、話に来たんだよね、柚奈に、壮真の事を。
で、柚奈は? それに対して話すためにいるんだよねぇ、違う?
話なさいよ、しっかり、きっちり話なさいよ! 」



この場の雰囲気に耐えられず、私が口開いた。


「 わかった、椿… 落ち着いて?」


落ちつくかっての!


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