お隣さんと内緒の恋話

二人の黙った空気に一喝を入れた私は心臓がバクバクしていた。

そしてやっと、柚奈より先に加純か口開いた。



「 柚奈先輩… 朝、壮真先輩と会ったんです、呼び出されて… 私 嬉しかった。
なのにっ…
昨日 一緒にいたんですよね? 壮真先輩と…

そしたら朝、壮真先輩が急に別れたいって言うし、わけわかんなくて…
要するに、柚奈先輩が原因ですよね? 私と別れたいなんて あり得ないから 」



睨みつけるように 話す加純、私の目からは冷静に見えて、内心 怒り心頭にも見える。



「 加純さん、昨日は壮真と会ったよ、一緒にいたし、なんで別れる事になったか話したの。
束縛って言っても、私はあなたみたいに 物わかりのいい子にはなってないから。
好きだから、誰とどこ行くか気になるし、聞いてほしい… 私の束縛なんて そんな程度、別れたのは間違いなの!
だから気持ちを 確認しただけよ 」



柚奈の言う通り、付き合い始めのカップルにはありがちな束縛。

私も束縛とは思えない。

ただ、それをどう感じるかは相手次第。



「 間違い? もうとっくに過去なんですよ、わかってます? 壮真先輩は 迷わず私を選んだんです、だから私の彼氏で、私が彼女なんです。 壮真先輩を誘惑しないで!」



ゆ、誘惑っ!?

どんなんよ… あの壮真に誘惑がわかるのかなぁ



「 誘惑… バカみたい。 私がそんな事する必要ないから。壮真は自分でも間違いだったってわかってるの、だから あなたに別れようって言ったんじゃない?
わかりますか?」



あ、柚奈… 上目線 強っ


言われた加純を見ると 何かを言いたげでこらえている。



加純さん?

はらわた煮えてるよね…
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