お隣さんと内緒の恋話
満月に願い事など、聞いた事はない。


でも 言われたら考えてしまう単純さ。



「 願い事… というより、葵にメールしなきゃ… 」

「 それはしなくていいよ、俺から連絡するから。どうせ帰るとこ一緒だしね 」


一緒って、紛らわしいよ…


「 でも 私からする… 」

「 はいはい、じゃ俺が電話するから代わってあげるよ 」


わざわざ そんな事しなくても…

私にかけさせたくないみたいな?



雅が葵に電話をかけて、すぐに私に代わったため、柚奈が壮真と一緒にいること、一人でいる所を雅と偶然会って一緒にいる事を話した。



『 大丈夫か? 雅と一緒で…』


心配される兄貴ってどうなの?


「 大丈夫だよ、たぶん… 風邪ひいたら雅くんのせいだけどね 」

『 雅の? わかった、帰ってきたら しばいてやるから。デザートでもおごってもらえよ、高いやつ 』


おお! 名案ですな。


「 わかった!そうする~」



葵と会話して 電話を切ると、雅が ムッとしていた。


なに、その顔は!


「 雅くん?」

「 …椿ちゃん、また俺が葵に怒られるだろ。あいつ容赦ないから… 頼むよ 」



窓全開にしといて よく言うよ…


「 ごめん!じゃ、中に入ろ~」


私のせいじゃないもーん。


「 よっしゃ!デートだ!」


や、違うし。
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