お隣さんと内緒の恋話
葵のキスで雅とのキスが過去に流されていく。
自分から流して忘れようとしている。
案外、立ち直りが早いことに気づいて、葵のキスには浄化作用があるんじゃないかと思った。
好きって すごい。
「 椿、俺が言った事… あれ本気だから 」
ん?
本気とは… まさか、あの命令口調で言ってたやつ?
「 でも、場所は問う方がいいと思うよ?」
「 ダメ、昼休みに図書館。あとは帰りに… 外で、次は俺の部屋 」
聞いていて ドキドキ、ドキドキした。
どれだけの場所で葵とキスしちゃうんだろうと。
私からすれば 大胆すぎて 恥ずかしさで 出来るはずがないと思う。
それでも、いろんな場所で葵とのキスの思い出が出来る。
好奇心が恋心に火をつける。
今より違う、ドキドキを経験してみたい。
「 葵… ほんとにごめんね、辛かったよね… 」
「 まぁな… 雅が椿を好きなのは気づいてた。
椿はまったく鈍感以下すぎて気づいてなかったしな… 雅には 痛い説教したから 少しはスッキリしたな 」
鈍感以下… 私って そこまで?
しかも痛い説教って どんな!?
兄弟だけに、葵 容赦しないだろうしなぁ
雅くん 大丈夫かな…
「 ほんとに、ごめんね 」
「 じゃあ、さっそく 椿からしてもらおうか 」
葵… こんな風だっけ?
昨日 満月だったから 内なるオオカミ出ちゃったとか?
葵か笑みを見せながら顔を近づけてくる。
キスの催促に、私は思いきって チュッと葵にキスをした。