お隣さんと内緒の恋話

葵が作ったサンドイッチは いつもコンビニで買って食べるのとは違い、とてつもなく美味しい。

リーフレタスのシャキシャキした歯応えが頭に響き、ただのロースハムが高級ハムに感じる。


葵 すごいなぁ…



「 うまいだろ 」

「 うまいです 」


料理上手な彼氏に感動だよ~


「 椿が作るサンドイッチも楽しみだな 」


んん?


眉をクイッと上げて 何気に逃げたつもり。

チラリと葵を見て、目が合いドキドキする。

私と葵の ほのぼのした時間を邪魔する奴が来た。


あ…


「 織原さん、ちょっと来てくれない?」

「 今度は何… 」



私を呼ぶ奴とは雅のファンで、玲音から始まった誤解をさらに誤解した楓と美乃莉。


あいかわらず二人くっついてるね…


「 ダサ男ね… やっぱり似てない。織原さん、来て 」

「 だから、何の用よ? ここで話して、また何かされるの嫌だから!」



ムッとした顔する楓が私を見てから葵を見る。


「 いい気なもんね… 上山先生の あの傷は何?あのキレイな顔に傷なんて許せないっ 」


あ、あれね… 言えないっての? 無理!



「 雅の傷なら俺がつけた。兄弟ケンカくらいするさ 」


葵…


「 ダサ男のくせに… ひどい事するじゃない!実際 イケてても 結局することがダサいわね… 」


正直 心底ムカついた。

でも、本当の理由なんて言えるわけがない。


「 ダサ男が彼氏なんて やっぱり最悪ね 」

「 なっ!? あんたねぇ 私の彼氏に向かっ… 」

「 椿!いいから… 」



葵… なんで? なんでよ…


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